ボルニューマ:痛みの壁を越えた美容医療の新時代
- 公開日: 2024/09/09 更新日:2025/04/07
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美容医療で痛みを感じずに若々しさを取り戻せたら、素晴らしいと思いませんか? 多くの方が、効果的な治療を受けたいという思いと、痛みへの不安の間で葛藤しています。私は35年間、美容皮膚科医として患者さんの「痛み」との戦いを続けてきました。この記事では、革新的な治療機器「Volnewmer(ボルニューマ)」が、どのように痛みの問題を解決し、美容医療の世界に変革をもたらしているかをお伝えします。痛みへの不安から解放され、より快適に美容治療を受けられる新しい可能性について知ることができるでしょう。
執筆者 綾部 誠
福岡美容皮膚科あやべクリニック院長。日本美容外科学会認定美容外科専門医。東京医科大学医学部を卒業後、久留米大学病院の形成外科医師として勤務。1997年に福岡美容皮膚科あやべクリニック開院。美容外科医として30年以上にわたり勤務した経験を活かし、情報発信を行っている。
ボルニューマ治療をご検討の方は下記のページをご覧ください。
目次
高周波治療の痛みとの長い戦い

美容医療の世界に足を踏み入れてから35年。その間、常に患者さんの「痛み」との戦いでした。効果的な治療を提供したいという思いと、患者さんに痛みを与えたくないという思いの間で、私たち医療関係者は常にジレンマを抱えていました。
特に高周波治療は、その効果の高さから多くの患者さんに支持されていましたが、同時に痛みの強さから敬遠される存在でもありました。
サーマクールの思い出
私の記憶に強く残っているのは、サーマクール治療を受けた60代の女性患者さんのことです。彼女は治療中、歯を食いしばりながら最後まで耐え抜きました。治療後、彼女は手鏡でご自分の顔をご覧になった後、涙ぐみながらこう言いました。
「先生、効果は確かにあります。でも、もう二度とあの痛みは味わいたくありません!!」
この言葉は、私の心に深く刻まれました。効果と引き換えに、患者さんにこれほどの苦痛を与えてしまう。これが本当に正しい医療なのだろうか。そんな疑問が、私の中でずっとくすぶり続けていたのです。
出典 A survey on monopolar radiofrequency treatment: The latest update
ボルニューマとの出会い

そんな中、ボルニューマと出会いました。最初は半信半疑でした。「本当に痛みを軽減できるのか」「効果は従来の機器と変わらないのか」など、疑問は尽きませんでした。
しかし、まず最初に自分が体験し、その効果と痛みのオフトレード性に驚かされました。ボルニューマは、高周波エネルギーの精密な制御、革新的な水冷システム、そしてゲートコントロール理論を応用した痛み軽減メカニズムなど、最新の技術を結集した機器だったのです。
BullBull Penとの類似性

ボルニューマの痛み軽減メカニズムを理解する上で、BullBull Pen(ブルブルペン)という小児医療で使用される器具が参考になります。BullBull Penは、注射の痛みを軽減するために開発された小さな振動デバイスです。
BullBull Penは、注射部位に振動を与えることで、痛みの信号を脳に伝わりにくくします。これは、ゲートコントロール理論と呼ばれる痛みのメカニズムに基づいています。ボルニューマも、同様の原理を応用しているのです。
ゲートコントロール理論は、1965年にRonald MelzackとPatrick Wallによって提唱された痛みの伝達メカニズムに関する理論です。この理論によると、脊髄には「痛みの門」と呼ばれる機構が存在し、この門が開くと痛みの信号が脳に伝わり、閉じると痛みの信号が遮断されるとされています。
出典
Mechanism of Peripheral Nerve Stimulation in Chronic Pain
BullBull Pen
興味深いのは、この門の開閉が触覚や圧覚などの他の感覚刺激によって影響を受けるという点です。例えば、痛みを感じている部位をさすったり、マッサージしたりすると痛みが和らぐのは、このメカニズムによるものです。
ボルニューマは、この理論を応用し、高周波治療を行いながら同時に皮膚に振動や圧力を加えることで、痛みの信号の伝達を抑制しています。これにより、効果的な治療を行いながらも、患者さんの痛みを大幅に軽減することが可能になったのです。
ある日、小児科医の友人から面白い話を聞きました。「BullBull Penを使い始めてから、子供たちの注射に対する痛みの恐怖心が大きく減ったんだ。まるで魔法のペンみたいだよ。」この話を聞いて、私はボルニューマの可能性をより強く感じました。
出典
Theories of pain: from specificity to gate control
From the gate to the neuromatrix
ボルニューマの患者さんの反応
ボルニューマを導入して最初に思い出すのは、あのサーマクール治療を受けた患者さんの再来院時のことです。彼女は恐る恐るボルニューマの治療を受け入れてくれました。
治療が始まると、彼女の表情が徐々に和らいでいくのが分かりました。治療後、彼女は驚いた表情で言いました。
「先生、大丈夫です。以前の治療の様な痛みはウソのようです。これなら、もう怖くありません。」
この言葉を聞いたとき、私はホッとしました。長年の課題だった痛みの問題に、ようやく答えが見つかったような気がしたのです。
ボルニューマの特徴
ボルニューマの特徴は、痛みの軽減だけではありません。6.78MHzという単極高周波を利用し、最大115ワットの出力が可能なこの機器は、肌の表面を守りながら、深部の組織にまでエネルギーを届けることができます。
さらに、独自の水冷システムにより、治療中の肌の温度を適切に保つことができます。これは、ガスを使用する従来の冷却システムと比べて、より効率的で安定した冷却を実現しています。
また、ハンドピースにはクッション機能が搭載されており、治療部位全体に均等な圧力をかけることができます。これにより、患者さんの不快感をさらに軽減することができました。
ボルニューマの痛みへの不安と期待

しかし、新しい機器の導入には常に課題がつきものです。多くの患者さんが、過去の痛い経験をしたことから、新しい治療にも不安を抱えていました。
ある患者さんは、こんな風に言いました。「先生、痛くないって言われても、やっぱり怖いんです。効果は期待できるけど、痛みが来るんじゃないかって、ずっと緊張しちゃうんです。」
この言葉を聞いて、私は患者さんの不安に寄り添うことの重要性を改めて感じました。新しい技術を導入する際は、その効果や安全性を説明するだけでなく、患者さんの心理的な不安にも配慮する必要があるのです。
ボルニューマの成功談

ボルニューマを導入してから、多くの成功例を経験しました。特に印象的だったのは、40代の女性患者さんのケースです。彼女は以前、他のクリニックで高周波治療を受けた際の痛みがトラウマとなり、美容医療そのものを避けるようになっていました。
しかし、ボルニューマの痛み軽減効果を説明し、実際に体験してもらったところ、彼女の表情が見る見る内に明るくなっていきました。治療後、彼女はこう言いました。
「まるで魔法にかけられたみたい。痛みがないだけでなく、肌のハリまで感じられるなんて。美容医療を諦めなくて本当に良かったです。」
この患者さんは、その後定期的に通院するようになり、肌の状態も大きく改善しました。ボルニューマが、美容医療への信頼を取り戻すきっかけになったのです。
ボルニューマの失敗談
一方で、失敗談もあります。ある患者さんは、痛みが軽減されたことで、頻繁に治療を受けたいと希望されました。私たちは、患者さんの熱意に応えようと、通常よりも短い間隔で治療を行いました。
しかし、結果的に肌に負担がかかりすぎてしまい、一時的に炎症を起こしてしまいました。このケースから、たとえ痛みが少なくても、適切な間隔を置いて治療を行うことの重要性を学びました。
また、効果を早く実感したいという患者さんの要望に応えるため、出力を通常よりも高く設定してしまい、軽度の火傷を引き起こしてしまったこともありました。これらの経験から、新しい技術を使う際も、基本的な医療の原則を忘れてはいけないことを痛感致しました。
長所と短所

ボルニューマの最大の長所は、言うまでもなく痛みの軽減です。これにより、多くの患者さんが治療を受けやすくなりました。また、深部組織への効果的なエネルギー伝達により、より良い治療結果が得られるようになりました。さらに、水冷システムにより、長時間の治療でも安定した冷却効果が得られることも大きな利点です。
一方、短所としては、機器の価格が高いことが挙げられます。これにより、すべての医療機関で導入できるわけではありません。また、操作方法が従来の機器と異なるため、医療者側の学習期間が必要になります。2023年8月にボルニューマを製造・販売しているソウルのCLASSYS本社まで出向き、本社のインストラクターの方から直接指導を受けに当院看護士が2名趣きました。
さらに、痛みが少ないがゆえに、患者さんが過度な治療を希望する傾向があり、それをコントロールすることが新たな課題となっています。
出典
Subjective evaluation of monopolar radiofrequency treatment by patients in aesthetic rejuvenation
患者さんのいら立ち

新しい技術の導入には、時として予期せぬ問題も発生します。ある日、長年のリピーター患者さんが、いつもより苛立った様子で来院されました。
「この新しい機械、確かに痛くはないんです。でも、効果が出るのが遅いような気がして…。」
この患者さんの言葉を聞いて、私は改めて考えさせられました。痛みの軽減は確かに大きな進歩です。しかし、それと同時に、患者さんの期待値も高くなっているのかもしれません。効果の出方は即時効果と1〜2月後の遅発性効果の2種類あるのがこのボルニューマの効果です。治療計画について、より丁寧な説明が必要だと感じました。
治療後の期待
ボルニューマの導入により、患者さんの治療後の期待も大きく変化しました。以前は「痛みに耐えられるか」という不安が大きかったのに対し、今では「どれくらい効果が出るか」という期待が中心になっています。
ある患者さんは、治療後にこう言いました。「痛くなかったので、もしかしたら効果がないのかなって心配になりました。でも、鏡を見たら、確かにハリが出ています!痛くなくても、ちゃんと効果があるんですね。」
この言葉を聞いて、私は技術の進歩の素晴らしさを改めて実感しました。痛みという障壁を取り除くことで、患者さんがより前向きに治療に臨めるようになったのです。
私の願い
60歳を過ぎた今、私は美容医療の未来に大きな希望を感じています。ボルニューマのような革新的な機器の登場により、私たちは患者さんにより快適で効果的な治療を提供できるようになりました。
しかし同時に、新しい技術を正しく理解し、適切に使用することの重要性も痛感しています。美容医療は、単に若さを取り戻すためのものではありません。患者さん一人一人のご要望を尊重し、その人らしさを引き出すためのサポートをすることが、私たち美容皮膚科医の役割だと考えています。
BullBull Penが子供たちの注射への恐怖心を和らげるように、ボルニューマは美容医療への不安を取り除き、より多くの人々に美容医療の恩恵をもたらすことができるでしょう。
まとめ

ボルニューマの登場は、美容医療の世界に大きな変革をもたらしました。長年の課題であった痛みの問題に対して、革新的な解決策を提供したのです。
- 痛みの軽減:ゲートコントロール理論を応用した技術により、従来の高周波治療と比べて大幅に痛みを軽減することに成功しました。これにより、多くの患者さんが治療を受けやすくなりました。
- 効果の向上:深部組織へのエネルギー伝達が効果的に行われ、より良い治療結果が得られるようになりました。
- 患者さんの心理的変化:痛みへの不安が軽減されたことで、患者さんがより前向きに治療に臨めるようになりました。
- 新たな課題:痛みが軽減されたことで、過度な治療を希望する患者さんが増えるなど、新たな課題も浮上しています。
- 医療者の責任:新技術の正しい理解と適切な使用、そして患者さんへの丁寧な説明がより一層重要になっています。
その他のボルニューマ情報
ボルニューマの効果に関する詳細や、治療効果を最大限に引き出すために重要なポイントについては下記のページをご覧ください。
ボルニューマ以外のたるみ治療について、各治療の仕組みやボルニューマとの比較は下記のページをご覧ください。
ボルニューマ治療をご検討の方は、下記のボルニューマ施術総合ページをご覧ください。
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