ニキビができたら皮膚科と美容皮膚科どっちに行く? 皮膚科と美容皮膚科の違いとメリットを徹底解説


二キビができて皮膚科を受診したいけど、
「皮膚科と美容皮膚科どっちにいけばいいの?」「皮膚科と美容皮膚科って何が違うの?」こんな疑問をもったことはありませんか?
皮膚科、美容皮膚科のどちらも皮膚の悩みを解決してくれる病院ですが、実は治療の目的、治療方法、適用できる保険など大きく異なります。

ここでは、皮膚科と美容皮膚科の違いについて詳しく説明していきます。それぞれの特徴や違いを知って上手に選択しながら自分の肌と付き合っていきましょう。

執筆者 綾部 誠
福岡美容皮膚科あやべクリニック院長。日本美容外科学会認定美容外科専門医。東京医科大学医学部を卒業後、久留米大学病院の形成外科医師として勤務。1997年に福岡美容皮膚科あやべクリニック開院。美容外科医として30年以上にわたり勤務した経験を活かし、情報発信を行っている。

皮膚科と美容皮膚科の違いとは?

皮膚科と美容皮膚科の違いは、大きく分けて4つ「治療の目的」、「対象疾患」、「治療方法」、「保険の適用範囲」です。この違いを理解すると、肌で悩んだときに皮膚科と美容皮膚科どっちに行くべきか自分で判断できるようになります。
それでは、ここから皮膚科、美容皮膚科それぞれの特徴※1をみていきましょう。

【皮膚科】
治療の目的:「皮膚病の治療・治癒」

皮膚科は一般的な皮膚の病気や炎症を診療する医療機関です。

対象疾患:皮膚疾患全般
ニキビの他、アトピー性皮膚炎、湿疹、水虫、帯状疱疹、皮膚感染症、皮膚ガンの他にも太陽の紫外線に当たっただけで水疱を生じてしまう色素性乾皮症など、さまざまな症状を幅広く扱います。

治療方法:内服薬、外用薬、注射 等
皮膚科では、症状に応じた治療薬の処方や、外用薬、飲み薬、注射など幅広い治療法があります。

保険適用範囲:健康保険適用
皮膚科の目的は「病気の治療・治癒」ですので、皮膚科では健康保険が適用され、診察費や処方箋に対する費用が一部カバーされます。

【美容皮膚科】
治療の目的:「美容治療、美の追求」
美容皮膚科は、皮膚の美しさや若々しさを保つ「美容目的」での診療を行うための医療機関です。

対象疾患:美容に関連した皮膚の問題
ニキビ、シミ、シワ、毛穴の開き、たるみ、脱毛など、美容の悩みに特化して治療していきます。

治療方法:内服薬、外用薬、注射 + レーザーなどの機器治療
美容皮膚科では内服薬や外用薬に加え、レーザー治療、ボトックス注射、ヒアルロン酸注射、そしてVISIA(画像解析システムを搭載した最新鋭の肌分析機器)などの皮膚の状態を解析する機器を用いた肌状態の細かな分析ができます。これらは、皮膚への美容効果を実現するための治療法ですので、皮膚科では扱わないことがほとんどです。

保険適用範囲:基本的に健康保険適用外
美容皮膚科の治療は主に美容目的であり、健康保険の適用範囲(生命を脅かす病気や機能を回復する治療)からはずれるため、美容皮膚科の多くの治療は保険適用外で、自費診療となります。

※1 皮膚科、美容皮膚科それぞれの特徴

出典元:Top Dermatologists Explain The Difference Between Medical vs. Cosmetic Dermatology

皮膚科と美容皮膚科は多くの方の中で混同されがちですが、その違いは、皮膚科は皮膚の病気や炎症の治療を目的としているのに対して、美容皮膚科は美容面での悩みや希望を解決することを目指しているという点です。
例えば、同じニキビ治療でも、皮膚科では今できているニキビが治る、もしくはニキビが少なくなるまでを治療とするのに対して、美容皮膚科ではニキビの治療だけでなく、ニキビ跡やニキビの再発予防まで解決することができます。
もし症状が重く、痛みや炎症がある場合は、まずは皮膚科を受診、美容面での悩みが強い場合や、若々しい肌を求めているなら、美容皮膚科が適切と言えるでしょう。

ニキビができたら皮膚科と美容皮膚科、どっちに行くべき?

ニキビ治療で、皮膚科、美容皮膚科のどっちを受診するか※2は、ニキビの症状や、進行具合によって変わります。
まず、「初めてニキビになって医療機関を受診する場合」は皮膚科をおすすめします。一方、「さまざまな治療を試してみたものの効果がまだ現れていない場合」は、美容皮膚科がおすすめです。
その理由について、今から解説していきます。

「初めてニキビになって医療機関を受診する場合」

ニキビで病院に行くかどうか悩むときは、ニキビが炎症を伴っている場合や、原因がはっきりと分からない場合が多いかと思います。
ニキビ治療は、その症状が本当に「ニキビ」であるかどうか、またその原因などを元に治療プランを組んでいきます。そのため、ニキビとニキビ以外の皮膚の疾患(毛嚢炎、酒さ、ヘルペスなど)を鑑別診断するためにも、まずは「皮膚科」を受診するのがよいでしょう。

皮膚科では、専門的な診断と治療を行い、炎症を抑える薬や抗生物質を処方することが可能ですので、炎症を起こしている場合やニキビ以外の皮膚疾患であっても症状が改善される可能性が高いと言えます。また、健康保険が適用されるため、費用面での負担も比較的少なくて済みます。

「さまざまな治療を試してみたものの効果がまだ現れていない場合」

例えば、既に長年、皮膚科で治療を受けているものの症状が改善されない、またはニキビ跡の凸凹や色素沈着の治療を希望する場合は、皮膚を分析して適切な治療方法を実施できる「美容皮膚科」を受診するのがよいでしょう。
また、美容皮膚科では、ニキビ予防もできますので、ニキビが繰り返しできる場合や、跡が残りやすい肌質の方なども美容皮膚科で改善できる可能性が高いと言えます。
美容皮膚科の治療は、健康保険の適用が受けられないことが多いですが、保険診療では取り扱わない薬剤、レーザー治療や光線療法、また、ニキビ跡を目立たなくするための最新の治療法なども提供しています。皮膚のターンオーバーを正常化する治療や、ニキビ跡のケアに特化した施術もできますので、長年ニキビでお悩みの方でもより肌を美しい状態に導くことが可能です。

※2 ニキビ治療で、皮膚科、美容皮膚科のどっちを受診するか

出典元:WHEN SHOULD YOU SEE A DERMATOLOGIST ABOUT ACNE?

それでもどちらの診療科を受診するか迷うという方は、まずは一般の皮膚科で状態を診てもらい、その後で美容皮膚科に相談するという方法もおすすめです。大切なのは、ニキビの症状、原因などをしっかり選別診察して、最適な治療方法やケア方法を見つけていくことです。

ニキビ肌を美しく。美容皮膚科にいくメリットとは?

美容皮膚科の最大のメリットは、専門的な知識を持った医師が適切な治療方法を提案することで、より短期間で効果が実感できる治療が受けられることです。一般的な薬局ではニキビ治療に役立つ商品が数多く売られていますが、自分だけで選択することは決して簡単ではありませんよね。
美容皮膚科では、ひとりひとりのニキビの状態に合わせて、内服薬、外用薬、レーザーや光治療、ケミカルピーリングなどの施術を適切に選択します。そのため、家庭でのスキンケアや市販の薬を使ってもなかなか治らないニキビも短期間で改善することが可能なのです。美容皮膚科ではニキビやニキビ跡を分けて診断し、状態を正確に評価して治療法を選択するため、ニキビそのものだけでなく、ニキビ跡の凹凸や色素沈着を治療することもできます。

美容皮膚科では、今あるニキビの治療はもちろんですが、より肌が美しく輝くために皮膚の新陳代謝や自己修復力にアプローチする治療も行っていきます。
参考までに、美容皮膚科の治療内容の一部をご紹介しますね。

➀内服薬
抗生物質はもちろん、ホルモン薬やビタミンA誘導体(イソトレチノイン)など。これらの薬はニキビを引き起こす細菌の増殖や皮脂の分泌、炎症の抑制、さらに皮膚の新陳代謝も促進します。

②外用薬
レチノイド、抗生物質、ベンゾイルペルオキシドなどが含まれます。これらは皮膚に直接塗布され、皮脂の過剰分泌を抑制し、皮膚の新陳代謝を促進します。

③レーザー治療
皮脂腺を直接破壊することでニキビの発生を抑制します。また、ニキビ跡の治療にも適しています。

④ケミカルピーリング
特定の化学物質を皮膚に塗布し、表皮の一部を剥がすことで皮膚の新陳代謝を促進します。

⑤マイクロニードル療法
微細な針を用いて皮膚に微小な穴を開け、皮膚の自己修復力を利用して皮膚の再生を促します。ニキビ跡、特に凹凸があるものの治療にも有効です。また、マイクロニードル療法は皮膚に瞬間的に微小な穴を開けるため、皮膚の内部への有効成分の浸透が高まり、治療効果を高めることができます。 

美容皮膚科ではアフターケアも充実しています。ニキビ治療が終わった後も、再発防止のアドバイスやスキンケアのコンサルティングを受けることができ、より長期的なニキビの再発予防が期待できます。

実際にあった間違ったスキンケア

当院には、日々たくさんの患者様がニキビ治療にいらっしゃいます。美容皮膚科ではニキビ治療と同時に、再発防止のアドバイスやスキンケアのコンサルティングを実施しています。より長期的なニキビの再発予防のために自分でできることとして「洗顔」というスキンケアがありますが、ニキビで悩まれている患者様はこの「洗顔」の方法が間違っていることがよくあります。
例えば、ニキビが気になるからといって1日に何回も洗顔すること。ニキビは、不潔だからできると思い込み洗顔料を使って必要以上に洗顔をしてしまう方がいます。しかし、ニキビのためのスキンケアとして大事なことは「保湿」です※3。そのため脱脂力の強い洗顔料で何回も洗ってしまうとニキビの悪化に繋がりかねません。

また、逆に極端に洗顔しないという方もいらっしゃいます。他のクリニックで「洗いすぎ」と言われ、どの程度洗っていいのか分からず、とりあえず1日1回水だけで洗顔する…といったように洗顔が足りず、ニキビの元でもある皮脂を落としきれずにニキビに繋がってしまうパターンです。

洗顔は、1日2回、33℃のぬるま湯で指の腹で適度に肌をこすりながら洗うのがポイントです※4。洗顔料を使うときはしっかりと泡立てるか、もしくはポンプででてくる泡タイプのものを使うのもおすすめです。
当クリニックでは、間違ったスキンケアによってご自宅で困ることがないよう患者様に洗顔の指導までしっかりと行っていきます。

※3 ニキビのためのスキンケアとして大事なことは「保湿」です

出典元:MOISTURIZER: WHY YOU MAY NEED IT IF YOU HAVE ACNE

※4 洗顔は、1日2回、33℃のぬるま湯で指の腹で適度に肌をこすりながら洗うのがポイントです

出典元:尋常性痤瘡治療ガイドライン
出典元:子にも役立つ洗顔の正解 洗うタイミングや水温は?

まとめ

今回は、ニキビができたときに悩みがちな皮膚科と美容皮膚科の違いについてや、どっちを受診すべきか、また、美容皮膚科のメリットについて解説しました。

ニキビ治療で、皮膚科と美容皮膚科のどっちを受診したらよいか迷ったら、ニキビの症状を抑えたい場合は皮膚科、症状を改善させつつ美しさを向上させたい場合は美容皮膚科といったように使い分けるようにしてみましょう。

特に強い痛みや炎症を伴うニキビがある場合は、美容皮膚科で希望の治療を受けられないこともありますので、ニキビができたら皮膚科→美容皮膚科の順で受診するのもおすすめです。

ニキビが気になったらまず、専門の医師に相談してみましょう。

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