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AYABE CLINIC / ANSWERS

「ビューホットは効果がない」と書かれた記事を読んで、ここに来られた方へ

この記事の要点

  • 施術直後に「効果がない」と感じる主な理由は2つ:針穴のかさぶた(古い汗が後から出る)と、制汗剤・デオドラントで長年ご自身のにおいを知らなかったこと
  • 効果の判定は施術後おおよそ1か月。それより早い判定は早すぎます
  • ビューホットは国内未承認の医療機器です(審査を受けていない状態。国が有効性・安全性を確認したものではありません)
  • 輸入元は新規販売を終了しましたが、使い捨てチップは2026年8月6日付の自由販売証明書のもと供給されています
  • 2014年9月〜2026年7月:総施術3,700件・患者3,200人・再施術500件(計画的な2回目を含む)。18歳未満475人中368人が1回で終了

私は、ビューホットという機器でワキガの治療をしている医師です。この記事には、治療をしている側の目線が入っています。先にお断りしておきますね。

はじめに、ある患者さんのお話をさせてください。

おひとりの特定の方のお話ではありません。時期や学年などは変えてありますし、私が診察室でお会いしてきた方々の姿を重ねています。ただ、ここに書くことは、私がこの診察室で、形を変えながら何度も聞いてきたことです。

ある年の春、ひとりの中学生の女の子が、お母さんと一緒に来院されました。

その子は、一年近く、学校に行っていませんでした。

彼女自身が、いじめられていたわけではないんです。彼女のクラスには、彼女よりニオイの強い子がひとりいて、その子がずっと、いじめられていました。彼女はそれを、一年間ずっと見ていました。

そして思ったそうです。いじめている側が、そのいじめに飽きたならば、次の標的を探す。次は、自分の番だ、と。

それで、学校に行けなくなりました。

私はこの話を聞いて、この症状のいちばん重いところは、ここだと思いました。何かが起きたから苦しいのではなくて、明日バレるんじゃないか、明日始まるんじゃないか、と思いながら毎日を過ごすこと。彼女はその予感だけで、一年分の学校生活——授業も、行事も、友達との時間も——を失ったんです。

画面の前のあなたにも、覚えのある感覚かもしれません。

彼女がその後どうしたかは、この記事の終わりの方でお話しします。その前に、あなたが今いちばん知りたいこと——「この治療は、効果がないのか」——から、順番にお話しさせてください。

ひとつ、意外に思われるかもしれないことから始めますね。

「ビューホットは効果がない」という記事の中には、医師の私が読んで「これはその通りです」と思う部分があるんです。

この記事では、次の順番でお話しします。

  • ビューホットの施術直後に「効果がない」と感じる仕組み
  • 自分のニオイが、自分では分からない理由
  • ビューホットが承認されていない理由
  • ビューホットの新規販売が終わったこと
  • みなさんが、どう決めてこられたか
  • 院内に置いてある、手書きの束のこと

私にとって都合の悪いことから書きます。

効果が出るまでの期間と、「効果なし」と感じる仕組み

施術の直後に「あれ、ニオイが残ってる」「むしろ強くなった気がする」と感じる時期。これ、実際にあります。判定を直後にするのは早すぎる、という指摘も、そのとおりだと思います。

何故か?
第一の原因は、実は瘡蓋(かさぶた)の場合があるのです。

この治療は、極細の針を皮膚に入れ、針先から高周波の熱を加えます。そのあと、針穴に小さな瘡蓋ができます。この瘡蓋が、しばらくのあいだ蓋の働きをします。そして日にちが経って瘡蓋が取れるとき、ニオイのもとになる汗を作るアポクリン腺の中ですでに作られていた古い汗が、外に出てきます。だから施術のあとしばらくは、かえってニオイを感じる方がいらっしゃるんです。

これは論文の話ではありません。2014年9月からこの治療を12年間、3,700件診てきて、私が何度も見てきた経過です。一人の医師の実経験として読んでください。

第二の原因は、制汗剤とデオドラントです。こちらは、あまり語られない話です。

その前に、ひとつ、言葉の整理をさせてください。制汗剤とデオドラント、この二つは同じもののように使われていますが、実は働きが違うんです。

制汗剤は、汗を抑えるもの。汗の出口に蓋をして、汗の量を減らします。
デオドラントは、ニオイを抑えるもの。ニオイのもとになる皮膚の菌が増えるのを抑えます。

私の診察室での体感では、日本では制汗剤を「ニオイを抑えるもの」として使っておられる方のほうが多いんです。でも、本来は目的で選ぶものです。わき汗を抑えたいなら、制汗剤。ニオイを抑えたいなら、デオドラント。覚えておいて損のない使い分けです。

さて、ここからが本題です。

制汗剤もデオドラントも、多くの方が、ニオイを自覚したその日から使い始めます。そして一度使い始めると、毎日手放せなくなる。5年、10年、30年と毎日塗り続ける方も珍しくありません。一日でも塗らなかったら気づかれるんじゃないか。その不安があるからですね。

そうすると、本来のご自分のニオイを確かめる機会が何十年も失われて、記憶の中のニオイだけが残ります。しかも記憶は、弱い方向に引っ張られていきます。

つまり、施術のあとに久しぶりに出会う素のニオイは、記憶の中のニオイより強く感じられることがあるんです。「むしろ強くなった気がする」の正体は、ニオイが強くなったのではなく、比べる相手——ご自分の記憶——のほうが弱くなっていた、ということが少なくありません。

ですから当院では、施術の7日前から制汗剤とデオドラントを控えていただきます。当日は、シャワーを浴びずにお越しください。7日間というのは、制汗剤やデオドラントの効果は1日や3日では効果がまだ残っています。その効果が切れるまでの7日間です。

我慢していただく話ではないんです。前と後を比べようにも、比べる起点が揃っていなければ、測りようがありませんから。施術までの7日と、判定までの1ヶ月。長いと感じられるかもしれませんが、これは何十年ぶりに、素のご自分と向き合う特別な時間でもあります。

とはいえ、毎日欠かさず使ってこられた方に「7日間やめてください」とお願いすることが、どれほど心細いことかも、分かっているつもりです。一日も欠かさなかった方にとって、7日間は決して短くありません。

だからこのご案内は、メールでご予約の方にも、こちらからお電話で直接お伝えしています。文字だけで済ませたくないんです。やめている間の心配ごとも、その場でお聞きします。7日間をおひとりで乗り切っていただくのではなく、一緒に施術の日を迎える準備だと思っていただきたいのです。

判定は、おおよそ1ヶ月をみます。誤解のないように言っておきますね。「1ヶ月待てば効く」という話ではありません。効き方には個人差がありますし、ニオイが残ることも、1回では足りないこともあります。

それでも、判定を急がないでほしいのです。急いでしまうと、瘡蓋と制汗剤という二つの仕組みに気づかないまま、「効果がない」という早すぎる結論だけが手元に残ってしまうからです。

そして、この1ヶ月そのものが、待つ側にとって短くない時間だということも、私は知っています。毎日ひとりでご自分のニオイを確かめて過ごす。そういう時間を、患者さんに背負わせたくありません。心配なことが出てきたら、1ヶ月を待たずに、いつでもご連絡ください。

なぜ、自分のニオイは分からないのか

視覚における眩しさには「ルクス」という単位があります。
聴覚における騒音には「デシベル」という単位があります。

明るさも、うるささも、数字で測って人に伝えることができます。

ところが、嗅覚と味覚には「単位」がありません。

つまり「あなたのニオイは、今この位です」と数字で示すことが、そもそも出来ないのです。

そして、ワキのニオイは、人の顔と一緒です。
全く異なるもので、一人として同じニオイの方はいません。

それでも、29年診察を続けていると、ニオイにはある程度の「単位」があることが自分なりに分かって来ました。

自分にしか分からないくらい弱い方。この方を10という数字の単位にします。

手を広げた範囲までニオイが届いてしまう方は、100という単位。

エレベーターやタクシーのような、ある一定の空間全体にニオイが広がってしまう方は、1000という単位だと仮定します。

つまり、10倍ずつ違う世界が、確かに存在します。

同じ「ワキガ」という言葉で呼ばれていても、ニオイのレベルの大きさがまるで違うのです。

では、自分が10なのか、100なのか、1000なのか。
これを自分で知る方法があるでしょうか?

実は、ありません。

考えてみて下さい。あなたのニオイを感じるのは、あなた自身ではなく、あなたから少し離れた場所に居る方です。例えば、隣の席に座った人。その人の鼻は、あなたのワキから50センチ程離れた位置に在ります。あなたが本当に知りたいのは、「その50センチ先で、自分がどう臭っているか」の筈です。

ところが、それを確かめようとして自分のワキに鼻を近付けると、今度は距離がゼロに成ってしまいます。逆に、50センチ離れようと体を離せば、ワキも一緒に離れて行きます。鼻とワキは同じ体に付いている以上、どうやっても「隣の人の位置」から自分を嗅ぐ事は出来ないのです。自分の顔は、鏡を使えば離れた場所から見る事が出来ます。しかし、ニオイを映す鏡は、この世に存在しません。

それなら、周りの人に聞けば良い。そう思われるかも知れません。けれど、考えてみて下さい。友人に「私、臭う?」と聞かれて、「臭うよ」と正直に答える人が、どれだけ居るでしょうか。大抵の人は、例え臭っていても「全然臭わないよ」と答えてしまいますよね。お母さんも同じです。あなたを傷付けたくないからです。その「全然臭わないよ」は、嘘ではありません。思いやりです。ただ、思いやりであるが故に、本当の所は分からないままなのです。

もう一つ、人間の体の仕組みの話をさせて下さい。
人間の五感の内、嗅覚だけは、敏感だけど鈍感であるという特殊な感覚です。

友人のお家に遊びに行った時、口にこそ出さないけど、その家のニオイを感じて、「あ~~、この家ってこういうニオイなんだ」と思ったことはありませんか?

友人自身は、自分の家のニオイにはまったく気づきません。自分の家のニオイに慣れてしまっていて鈍感になっているからです。

でも、暫くして1時間、2時間してお別れするころになると自分自身もその家のニオイが全く気にならなくなってしまう。

そんな経験を皆さんもしたことがあると思います。

しかし、視覚は眩しかったら何時間たってもまぶしいですし、聴覚も五月蠅かったら何時間たっても五月蠅いままです。
ところが人間の嗅覚は時間とともに慣れてしまうものなんです。ここが同じ五感でも、嗅覚が他の感覚と大きく異なるところなのです。

ニオイを測る単位が無い。
ニオイを映す「鏡」が無い。

誰かに聞いても本当の事は言ってくれない。

自分の鼻は慣れてニオイに対して鈍感になってしまっているかもしれない。

ここまで揃うと、自分のニオイが分からないのは、あなたの注意不足でも、考え過ぎでも無い事が分かります。

人間の仕組みとして、分からない様に出来ているのです。

分からないものを一人で測ろうとし続けるのは、とても苦しい事です。

診察室で最初にお手伝いしているのは、治療の前に、この「測れないもの」を一緒に整理する事です。

なぜ、承認されていない機器を使うのか

一つめ ── 「未承認」って、どういう意味か

「未承認」とは、医薬品医療機器等法という法律のうえで、国の承認を受けていない、という位置づけです。

承認は、業者が申請を出し、審査を受けて得るものなんですね。申請がなければ、審査も行われません。ですから「未承認」は、「審査に落ちた」ではなく「審査を受けていない」という状態です。

ただし、これを安心の材料にはしないでください。審査を受けていないとは、国が有効性と安全性を確認していない、ということでもあります。

二つめ ── 特許という、別の事情

承認の話とは別に、この治療方式が歩んできた歴史を、ここでお話しさせてください。ビューホットという機器がどこから来たのかを知っていただくためです。

実は、「皮膚に細い針を刺し、針の先から高周波の熱を加えて治療する」という方法、そのものに、特許が存在していました。ビューホットがワキガ治療に使っている、まさにその仕組みです。

特許とは、新しい技術を発明した人に国が与える「その技術を独り占めできる権利」です。期限は出願から20年。期限内は、発明した人の許可なく、同じ技術を使った製品を作ったり売ったりすることができません。

では、この「針を使った高周波治療」を発明したのは誰か。米国のマサチューセッツ総合病院の医師です。マサチューセッツ総合病院は、ハーバード大学医学部の教育病院で、世界で最も歴史のある病院の一つです。この病院が権利者となり、日本では特許第5065005号、米国では特許US9095357号として登録されました。日本と米国の二つの番号がありますが、中身は同じ一つの発明です。

つまり、針を刺して高周波で治療するという方法は、世界的に見ても由緒ある医療機関の発明であり、同時に、その特許の網の中にある技術だったのです。

この特許の独占的な使用権を持っていたのが、医療レーザー機器の大手であるシネロン・キャンデラ社です。そして2018年5月9日、この特許を巡って大きな出来事が起きます。シネロン・キャンデラ社が、同じ方式の治療機器を製造・販売する世界の18社を相手取り、米国国際貿易委員会(ITC)に特許侵害の調査を申し立てたのです。事件番号は337-TA-1112。この18社の中に、当院の機器の製造元であるShenb社が含まれています。

ここで、少し立ち止まって考えていただきたいのです。世界で18社もの医療機器メーカーが、この「針を使った高周波治療」の機器を作っていた。だからこそ、18社が一度に争いの相手になったわけです。それだけ多くの企業が、この治療方式に価値と将来性を見て、開発に乗り出していたということです。ハーバード大学医学部の教育病院で生まれた発明に、世界中のメーカーが続いた。マサチューセッツ総合病院という出どころを知って、少しほっとされたなら——その感覚は、間違っていないと思います。技術の出どころを知ることは、安心のひとつの形です。

ただ、安心の材料は、良い話だけでは足りませんよね。製造元が争いで訴えられた側にいたこと自体は、当院にとって都合の良い話ではありません。言い繕わずに、そのまま置いておきます。そのかわり、この争いがどう終わったかまで、書いておきます。2019年3月、特許を持つ側とShenb社は和解しました。双方が合意のうえで調査の終了を申し立て、認められています。輸入の差し止めや処分で終わったのではなく、話し合いで終わった。悪い話ほど、結末まで自分の目で確かめられること——これも、安心のひとつの形だと思うんです。ここも、米国の公文書で確かめられます。

その後、日本の特許第5065005号は、2025年4月1日に期限を迎えて消滅しました。特許は20年で切れる決まりだからです。現在の日本に、この特許の制約はもうありません。一方、米国の特許US9095357号は、審査に時間がかかった分の延長が認められ、2028年10月16日まで生きています。

ここまでの話は、全て公文書——特許公報とITCの記録——で確かめられます。番号を挙げたのは、ご自身の目で調べていただけるようにするためです。

一つ、当院の時系列も添えておきます。当院がビューホットを導入したのは2014年9月。この特許の争いが起きる3年半以上前のことです。

三つめ ── 新規販売が終わったことも、書いておきます

先に、お伝えしておきたいことがひとつあります。ビューホットの新規販売について、輸入元であるメトラス株式会社は、取り扱いを中止しました(輸入元の説明による)。

これを読んで、心配になりますよね。売られなくなった機械で、治療を続けられるの?消耗品は手に入るの?自分が受けたあとも、ちゃんと診てもらえるの?

当然の心配だと思います。ですから、確かめられることから、順にお話しさせてください。

ビューホットの施術では、針の付いた使い捨てのチップを、患者さんごとに新しく使います。つまりこの治療は、チップが手に入り続ける限り、続けられるんです。

そのチップは、いまも韓国から日本へ、正規に販売できる状態にあります。2026年8月6日付で、韓国の公的機関がそれを証明する書類(自由販売証明書)を発行しています。

そして、当院の話も少しだけ。この治療を始めたのは2014年9月。以来12年、同じ機械で、同じ医師が、同じ治療を続けてきました。総施術3,700件、患者数3,200人。この数字は、販売の事情とは関係なく、いまも一件ずつ増えています。

新規販売が終わったこと。2026年8月の日付が入った、供給の証明書。12年間の記録。この三つを、同じ場所に置いておきます。

みなさんは、どう決めてこられたか

ここまで、材料を並べてきました。それでも、すぐには動けないと思うんです。それでいいと思っています。

診察室で、初めていらした方から伺うお話は、実は、よく似ています。

もう何年も、ひとりで気にしてきた。朝、制汗剤を塗って、昼にお手洗いでそっと確かめて、電車で吊り革をつかむのをためらって。家族にも言わないまま、夜、検索だけを重ねてきた。

治したい。でも、怖い。

痛いんじゃないか。効かなかったらどうしよう。安くない費用が無駄になったら、どうしよう。それに、クリニックに相談するということは、自分のニオイを自分で認めることのような気がして、それがいちばん怖い——そうおっしゃった方も、いらっしゃいました。

治したい気持ちと、怖い気持ち。この二つは、あなたの中で、綱引きのように何年も引っ張り合ってきたはずです。どちらか片方しかない方は、そもそもこの記事を、ここまで読んでいません。

その綱引きが続いているのは、あなたの意志が弱いからではありません。分からないことを前にすると、人は動けなくなる。それだけのことなんです。ですから私は、この記事で「大丈夫ですから、思い切って」とは申しません。背中を押すのは、私の仕事ではないからです。私の仕事は、あなたがご自分で決められるところまで、分からないことを一つずつ減らしていくことです。

まずは、「効かなかったらどうしよう」「1回で終わらなかったらどうしよう」という心配から。

思い出していただきたいのは、ニオイの桁の話です。10の方、100の方、1000の方。同じワキガという言葉で呼ばれていても、まるで違う世界でしたよね。それなのに、全員を一括りにして「みんな1回で終わります」と言うほうが、本当はおかしいと思いませんか。

ですから当院では、診察でニオイの強さを拝見したうえで、最初から2回に分けた計画をお話しすることがあります。これは失敗のやり直しではなく、最初からの治療計画です。当院の総施術3,700件のうち、再施術は500件。この数字には、そういう計画の2回目も含まれています。

費用のことも、気になっておられると思います。金額は、治療の内容ごとに料金表のページにすべて出しています。2回に分けた計画の場合の2回目の金額も、そこに書いてあります。見てから決めていただいて、かまいません。

お子さんのことで読んでおられる親御さんには、もうひとつ。成長期のお子さんは体が育っていく途中ですから、施術のあとに汗腺が育って、ニオイが戻ってくることは、あります。それは正直にお伝えします。ただ、全員ではありません。当院に於ける2020年1月以降の電子カルテの記録では、初回の施術のとき18歳未満だったお子さんは475人。そのうち368人——およそ4人に3人——は、1回の施術で終えています。

読み比べの中で、ミラドライという治療をご覧になった方も多いと思います。国の承認がある治療のほうが安心に感じられる——それは、とても自然な感覚だと思います。ひとつ、はっきりお伝えしておきます。多汗症——汗の量の治療については、ミラドライが国の承認を得ています。それは認めます。ただ、この記事でずっとお話ししてきたのは、腋臭症——ニオイの話です。汗の量の話と、ニオイの話は、分けて考えてください。

では、実際に決めた方たちは、どう決めてこられたのでしょうか。

きっかけは、本当にさまざまです。就職を前に決めた方。結婚式の日取りが決まって来られた方。お子さんの入学の春に、親子で来られた方。制服の学校に上がる前の夏、という方も多いです。何年も調べ続けて、ある日ふっと「もう調べることがなくなった」と気づいて来られた方もいます。

ただ、共通していることが、ひとつだけあります。迷いが完全に消えてから来られた方は、ほとんどいない、ということです。

診察の日が近づいて、やめようかと思った。予約の電話を切ったあと、しばらく手が止まっていた。当日の朝も、まだ迷っていた。あとになって、そう打ち明けてくださる方が多いんです。

決めたから怖くなくなりました、という方に、私はあまりお会いしません。決めても、怖いままなんです。

ですから当院は、怖さを消してから来てください、とは言いません。かわりに、こうしています。当院では、腋臭症治療を受けるすべての方に——大人の方にも——マスク麻酔を用います。眠っている状態を確認してから局所麻酔を行い、そのうえで施術に入ります。怖いまま診察室に入って、眠って、目が覚めたら終わっている。怖さは、無理に乗り越えなくていいんです。怖いままのあなたのために、このマスク麻酔があります。

最初にお話しした、あの女の子のことです。

診察のとき、私はひとつの選択肢として、彼女に転校という道もあるのではないでしょうかとお話ししました。環境を変えるのも、ひとつの解決だからです。

転校は考えていない、と彼女は言いました。好きな親友がいる。新学期から、その親友と一緒に登校するために、この治療を受けると決めた——そう、はっきりと。

私は、この子はなんて強い子なんだろうと思いました。

怖いから決めた方も、道が残っていなかったから決めた方も、たくさん診てきました。それも本当の決め方です。でも彼女は、戻りたい場所と、隣を歩きたい人がいるから決めた。

決め方は、人の数だけあります。彼女には彼女の、あなたにはあなたの決め方が、きっとあります。急ぐ必要はありません。

お子さんのことで読んでおられる方へ

冒頭のお話が中学生でしたので、ここに書いておきます。いま、お子さんのことを心配しながらこの記事を読んでおられる親御さんへの話です。

当院では、6歳からこの治療をお受けいただけます。未就学のお子さんについては、まずご相談としてお受けしています。

ただ、先にお伝えしておきたいことがあります。ご相談にお越しいただいても、必ずしも治療が必要とは限りません。診察の結果、「今は様子を見ましょう」という結論になることもあります。それも、立派な診察の結果のひとつです。相談に行ったら治療を勧められるのではないか、と身構える必要はありません。

親御さんだけで、先にお越しいただいて構いません。お子さんご本人がまだ自分では気づいていない段階でも、かまいません。「本人に何と言って連れて行けばいいのか」と悩む前に、まず親御さんおひとりで、心配ごとを整理しにいらしてください。

もし治療をすることになった場合のことも、書いておきます。当院の施術は、マスク麻酔でお子さんが眠っている間に行います。そのとき、お子さんが眠りにつくまで、親御さんにそばにいていただきます。そして、目が覚める前に、また同じ位置に戻っていただきます。眠るときに見えていた親御さんの顔が、目が覚めたときにも同じ場所にある。お子さんにとって、施術の記憶がそういうものになるようにしています。

診察室の棚に、手書きの束があります

最後に、ひとつだけ。

当院の診察室には、患者さんが手書きで書かれたアンケートが束で置いてあるんです。556名分。鉛筆の字も、ボールペンの字も。小学生の丸い字も、大人の走り書きも。

これを、この記事に載せるつもりはありません。効果を語る体験談としては使わないと決めていますし、この556名は掲載協力を前提とした料金区分の方で、掲載に前向きな方に偏っている可能性もあります。偏った記録を、証拠の顔をさせて並べたくないんですね。

ですから、束のまま院内に置いてあります。診察にお越しになれば、その場でご覧いただけます。何枚めくっていただいても。数字の集計は「アンケート556名分の集計」のページにありますが、紙の束は集計とは別のものです。

治療を受ける前に、あの人たちが何を怖がっていたのか。それはたぶん、いま画面の前におられるあなたの怖さと、そう遠くないはずです。

ご相談は、治療を決めることではありません。やらないと決めてお帰りになってかまいません。疑いを持ったまま、お越しいただいてかまいません。

ご予約は、メール、またはお電話(0120-072-557、完全予約制)で承っています。

あなたのペースで、お待ちしております。

福岡美容皮膚科 あやべクリニック 院長 綾部 誠(形成外科医)

未承認医療機器に関する重要事項

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未承認医療機器に関する表示(ビューホット/ViewHot)

・医薬品医療機器等法上、国内では未承認の医療機器です。

・入手経路: 韓国 Shenb 社で製造されたものを、メトラス株式会社を通じて、医師の判断により個人輸入しています。

・国内の承認医療機器等の有無: 同一の成分や性能を有する他の国内承認医療機器等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報: 韓国では、食品医薬品安全処(MFDS)の医療機器製造許可(許可番号: 제허14-1216호・2014年6月24日付・3等級)を受けています(許可証の写しを当院にて確認済み)。欧州では、欧州医療機器指令(MDD 93/42/EEC)に基づくCE認証(認証番号: KR19/81826202・認証機関: SGS Belgium NV)を、腋臭症および原発性腋窩多汗症の治療を含む範囲で取得していましたが、この認証は2024年5月24日に有効期間の満了を迎えています(認証の停止や取消によるものではありません)。なお、これらの外国の許可・認証は、日本の医薬品医療機器等法上の承認に代わるものではありません。治療効果や安全性には個人差があり、重大なリスクがすべて明らかになっているとは限りません。

・万一健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の対象とはなりません。

・個人輸入について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html

関係書類(公文書)

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米国国際貿易委員会(ITC)調査 337-TA-1112 の終了通知

出所:米国国際貿易委員会(ITC) / 2019年4月11日付

本文「二つめ ── 特許という、別の事情」で触れた、2019年3月の和解による調査終了に対応する公文書です。

米国国際貿易委員会が2019年4月11日付で発行した、調査番号337-TA-1112について、3社に関する調査終了の初期決定を再検討しないと決定した旨の通知書の1頁目。

米国国際貿易委員会(ITC)調査 337-TA-1112 の終了通知の全文(PDF)を開く

日本 特許第5065005号 特許公報

出所:日本国特許庁 / 平成24年10月31日(2012年10月31日)発行

本文で挙げた日本の特許番号の公報です。特許権者はザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション(マサチューセッツ総合病院)と記載されています。

日本国特許庁が発行した特許第5065005号の特許公報の1頁目。発明の名称は皮膚科治療及び組織再形成のための方法及び装置。

日本 特許第5065005号 特許公報の全文(PDF)を開く

米国 特許 US9,095,357 特許公報

出所:米国特許商標庁(USPTO) / 2015年8月4日発行

本文で挙げた米国の特許番号の公報です。譲受人はザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション(マサチューセッツ総合病院)と記載されています。

米国特許商標庁が発行した特許US9,095,357B2の特許公報の1頁目。発明の名称はMethod and apparatus for dermatological treatment and tissue reshaping。

米国 特許 US9,095,357 特許公報の全文(PDF)を開く